数年前から気になっていたベトナム式エステを初体験してきた。
 
　ベトナム式と聞くと、首都圏で昨今激増中のゲリラ的に稼ごうと企むでたらめなイリーガル店を想像する御仁も多いかもしれないけれど、それらとは一線を画す健全サロンである。
 
 
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　が、健全にも色々ある。真っ白なら掲示板にスレなぞ立たぬはずで、オフホワイトなのかライトグレーなのか、とにかく白よりなのか黒よりなのか非常に気になる。ネット上には詳細な口コミも見つからない。どっちなんだい？！

　ちと調べたところ、今回利用した「カムオンマッサージ」には都内にいくつかの系列店があるようだ。
 
　・駒込：カムオンマッサージ 駒込店
　・西新井：カムオンマッサージ 西新井店
　・立会川：カムオンマッサージ 立会川店
　・鶯谷：ほぐしハウスマッサージ
　・亀有：シンチャオスパ
　・谷塚：シンチャオスパ2
 
　（詳しい方、間違ってたら教えてね）
 
　同店のHPには「カモンスパ」ともあるが、「カムオンマッサージ」でも「カムオンスパ」でも呼び名は何でも通じるのだろう。
 
　駒込が1号店・本店になるのかな？ なんとなく一番混んでいそうな駒込店を避け西新井店に電話してみる。と、ベトナム嬢らしき女性が電話に出た。1時間後に行きたいと伝えると、すんなり予約完了。
 
　西新井店は最近オープンした店舗のようだが、駅からのアクセスが非常に悪い。近所の方か車やバイク、自転車などの移動手段がないと夏場は厳しいだろう。空いていたのもそのせいかもしれない。

 
　大通り沿いにある看板が派手な店舗に到着し、インターホンを押す。すぐに若きベトナム女性が出迎えてくれる。
 
　「おぉ、なかなか可愛いじゃないか」
 
　色白ですらっとした、品と清潔感のある女性である。年齢は20代中頃あたりか。おばちゃんや南方特有の濃いフェイスの嬢が出てきてもおかしくないと想像していたが、嬉しい誤算。シックな紺色の制服から伸びる白く細い生足が魅力的である。名を訊ねると「ア●です」と答えた。彼女の日本語は流暢ではないもののコミュニケーションは十分とれる。
 
　この●ン嬢がそのまま担当になるようだ。コースはオイルリンパコースの90分を選んだ。18時まで1,000円引きで、90分11,000円也。
 
 
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　店内は想像以上に広く、甘いアロマの香りが立ち込めていた。若干香りがきつ過ぎて髪や洋服に残りそうな気がする。これは賛否分かれそうだ。
 
　建物は二階建てになっており上下に施術部屋がある様子。私は一階の部屋に案内された。部屋は広く10畳はありそうな完全個室で、中央に施術台（穴あきベッド）が置かれている。シックなインテリアも好印象。
 
　A嬢に紙パンツに履き替えるよう言われたが「シャワーはないのか」と訊くと室内のドアを開けた。奥には浴室があった。部屋備え付けとはありがたい。
 
　シャワーを浴び、Tバック型の紙パンツを装着し施術台にうつ伏せに。A嬢は出迎え時と同じ服装（膝上丈のエステ服）のまま、丸いフレームの眼鏡をかけて施術が始まった。
 
　・・・う、うまい！
 
　若いからそこまで期待していなかったのだが、A嬢めちゃくちゃ巧い！
 
　的確な箇所に的確な力で背面をほぐされる。施術の流れの中で自然と肌が触れ合うこともありなんとも心地がいい。続いて足踏み。これまた身のこなしが軽く、痛持ちがいい施術が続く。
 
　オイルが投入されるも、これまた非常に巧い。アジアンエステでこんなにも巧みな施術を受けたのはずいぶん久しぶりのことだ。素晴らしい。若いのにグッジョブである。その後ホットストーンでの施術もあり、A嬢の極上マッサでしっかり身体がほぐれた。
 
　ただ、期待していた鼠径部エリアへの施術がうつ伏せでは皆無であったのは気になる。いくら何でも健全過ぎやしないかい？
 

　そして遂に仰向けコール。
 
　仰向けになると、A嬢の指はすぐさまデコルテに伸びてきた。さほど感じない私にとって乳●攻めはあまり嬉しくないのだが、A嬢のフェザータッチ、指使いは悪くないと思う。好きな人には堪らないものがあるだろう。けっこう長いあいだ乳●をいじられる。
 
　肝心の鼠径部リンパだが、皆無ではないが非常にソフトである。ホットペッパー掲載店でもこれぐらいあっても全く不思議ではないレベルの、本当に健全なリンパであった。紙パンツのゴム辺りの下を指や手が通ったり、如意棒の付け根のツボを押されたりする機会もあったが、ほぼ安全運転で事故らしき事故もない。
 
　が、そこまで悪い気はしなかった。なによりA嬢は可愛いらし巧い。濃厚な鼠径部リンパがなくても金を取れるレベルと思うから。
 
　とはいえ、オイルより3,000円も割高なリンパコースなのだ。「●首ばかりでなくもう少し鼠径部を刺激してほしい」と正直に伝えると、A嬢は素直に従ってくれる。ま、深度や強度は相変わらずで超ソフトなのだが…
 
　やがてタイマーが鳴る。すぐに「延長しますか？」とA嬢。延長したところで展開が変わりそうな気配もなく、後ろ髪を引かれる思いもあるにはあったが今回はおとなしく帰ることにした。ちなみに最後に自分で致すことはOKとのことであります。
 
 
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　シャワーを浴び着替えてお茶をいただく。少々世間話をしたところ、ア●嬢はベトナムにいた頃からマッサージ業に携わっていたらしい。ルックスが良く品があり施術も巧いので、健全でもファンが多そうなセラピストである。むふふなサービスや寛容度は期待できそうもないが、健全マッサ好きにはオススメです。コスパ重視ならいっそオイルコース（90分9,000円）でいいかもね。
 
　A嬢のマッサで身体がすっかり軽くなったのを実感し、たまには健全マッサもいいものだなぞと柄にもないことを思う。が、この価格（90分11,000円）なら、もう少し鼠径部リンパでときめかせてくれたらなあ。そしたら通うのになあ…。とも思いつつ帰路に就いた。
 

　～～ 数日後… ～～
 
　西新井カムオンマッサージのA嬢は健全ながら魅力があった。このエステにおおむね好印象を抱いた私だが、他のセラピストはもっと鼠径部リンパや肌のふれあいでドキドキさせてくれるのではないか、と気になるのも事実。そこで大いなる下心を持って系列店を利用することにした。
 
　最初は鶯谷店（ほぐしハウスマッサージ）に電話をしたのだが、誰も電話に出ずに諦めた。次に亀●店（●ンチャオススパ）に電話すると、西新井のA嬢より輪をかけて日本語の不自由な女性が電話に出た。
 
　予約したい旨をゆっくりと説明したのだが、いまいち理解してくれない。で、「今、空いているか」だけを聞くと、開いているようなニュアンスなので、そのまま店に向かうことにした。
 
　私はなんとなく不安になった。
 
　結句、不安は的中する。嫌な予感とは本当によく当たるものである。

　サ●とかいうお世辞にも可愛いとは言い難い小太りな若い嬢が担当になった。洗練された雰囲気のA嬢とは異なり、田舎娘風というか垢ぬけていない感じがする。ただ、笑顔が絶えず日本語は不自由ながらも話好きで悪い娘ではない気がした。最初はそう思っていた。だが・・・
 
　自称18歳S嬢の技術はA嬢の足元にも及ばず。無駄に力だけはあって痛いぐらいで何度も加減させた。特に足踏みは苦痛の一言。何度も力を弱めるように言う必要があった。ホットストーンは熱すぎて飛び跳ねた。
 
　どうにもやりきれぬ。まったく癒されない。せめて鼠径部リンパでの巻き返しを期待したのだが・・・
 
　仰向けになるとS嬢は鼠径部ディープリンパをはじめた。A嬢よりは濃く事故も少々あった。やがて股間辺りをちょろっと触ると、「お兄さん、ここどうする？ あと5,000円」とS嬢。
 
　大半の時間を下手なマッサで費やし短時間のリンパでお茶を濁し、挙句の課金要求・・・正直なところムカっとしたが、けっこうな追加料金なので内容を確認すると、単なる手でのサービスらしい。高けーよ、ばーか。と心の中で罵りながら2,000円まで値切ったのだが次第に虚しくなり、結局課金するのをやめた。
 
　するとS嬢は、持ち金の問題で断ったと思ったのか「ペイペイやってるか？」とか「カード持ってるか？」なんぞと恐ろしいことを言いはじめた。日本語が不自由だからストレートな表現になってしまうのは理解できるのだが、かなり危なっかしい嬢である。むろん金の問題ではなく、こんなつまらぬ嬢に小遣いをやりたくないだけの話なのだが。
 
　シャワーを浴び、カビ臭い湿ったタオルで身体を拭く。ちなみに西新井店とは異なりカーテン仕切りで施術台も古臭く時にみしみし音を立てる安普請で、何もかもが雲泥の差であった。着替えて用意された茶には口をつけずに店を出る。
 

　西新井のA嬢は健全だが素晴らしかった。亀●のS嬢は課金すれば非健全だが最低だった。一勝一敗といったところだが、S嬢のせいで後味があまりにも悪い。向後気になるベトナム嬢を見つけてたとしても、S嬢の残像が私をベトナム嬢たちから遠ざけることになるのだろうか。そう思うと、私は少し悲しくなった。

 
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